全日本選抜女子剣道七段優勝大会をみて

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2024年12月15日に全日本選抜女子剣道七段優勝大会が開催されました。山梨県同連盟設立70周年記念の大会ということで今の時代にマッチした大会開催だった印象です。

ママさん剣士やリバ剣女性剣士には勉強になった試合だったのではないでしょうか。この試合を見て個人的な主観ではありますがつらつらと書いていきたいと思います。

八段審査一次合格者女性二人が出場

この大会では八段審査の1次合格されている、神田真奈美選手と村山千夏選手が出場されていました。この出場者リストをみたとき、1次審査を合格された二人を見せたい意図を感じずにはいられませんでした。試合自体は所詮敗退となりましたが、立会いを見たい人にとっては良い情報であったことは間違いありません。

個人的には神田選手が1次審査を通過したという理由は試合の攻防をみて納得しました。

  • 駆け引きがうまく、攻めて相手の反応に応じて技を繰り出している点
  • 立会いが女性的なリズムではない。男性と立会いをしても違和感を感じないであろうやり取り
  • 崩れが少なくしっかり攻めてからの打突が放たれている

大きく見てこの3つがとても好印象でした。結果は1回戦敗退ではありましたが、立会の見本として勉強になる試合であったと思います。

下川七段の試合がとにかく素晴らしかった

この大会でダントツに素晴らしかったのは下川選手の試合でした。鹿屋体育大学教員なので稽古環境には申し分ない環境であったことは間違いないですが、試合を見ただけで「稽古量半端ない」というのが一目でわかります。他の選手は、「なんとか調整して稽古してきたな」という印象が非常に強かったです。その差がはっきりわかるぐらいの試合内容であったこと。

なりよりも試合の攻防はずば抜けていました。攻めて相手の反応に合わせた技を繰り出す場面は他の選手では類を見ないと思います。

技を出して、相手が引けば渡りの技(コテメンの二段)を繰り出す、攻めて手元をあげればコテを捉える、ときに思い切って打ち切る飛び込みメン、他の選手より頭3つぐらい抜きん出ていたように思います。

決勝の内容についても私は優勝した緒方選手より下川選手の方が七段戦を意識した決勝戦としての姿勢を評価したいです。勝負者として勝負に徹することは間違いではないですが、七段戦の決勝である以上、立会いや攻防を意識した試合にしてほしかったし、打った当たったという試合に少し流れてしまっていたように感じたこと、下川選手は勝負ではあるものの、七段戦の決勝で手本になる形で攻防をしようとしていたが合気にならなかったように思いました。

若干、個人的に審判の打突基準も決勝に準じた内容にしてほしかったなーと思いました。

結果は2位でしたけど、あの大会で間違いなく下川選手が最優秀賞だと私は思います。個人的には女性初の八段は下川選手が一番近いと思わせる試合でした。

女性八段誕生の契機になるか

試合全体を見る限り、やはり女性の八段は難しいのかなと感じる場面は否めませんでした。男性剣士との攻防で不利なのはもちろんですが・・・

全体的に間合いが近い。とにかく近い。

八段戦も近い印象はあるものの、女性同士になるとこんなに近くなるのかという印象でした。身長が低い選手は必然的に近くなるのは、しょうがないですが、これが一般男性との審査になったら見る側もハンデに映るのかなという印象。

もちろん女性なので筋肉量も違うし、動ける範囲も男性と比べて少ないしで近くなるのはしょうがないことであるのは理解ができるのですけど・・・。

何よりも気になるのは攻防と打突の仕方が異なる点。この試合で気になったのは打突を発する際に踏み込みが飛んで打っている、なんとかして打つという選手が多いように思いました。

後の先の技もあまりなかったように思います。攻防の中で打突をしているというよりは間合いに入って打てるところに来たら打つみたいなやり取りが多い印象でした。もちろん全員ではないです。有島選手、下川選手の攻防は男子でも参考になると思います。

下川選手のようなやり取りができる女性剣士が増えれば、近い将来女性八段が生まれる可能性が高いように思います。

まだ年齢的に八段を受けられないですが、きっとこの出場者から八段が生まれてくることを願っています。

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